人間とホッキョクグマの共存
ホッキョクグマが人口よりも集まってしまう町チャーチル。
野生のホッキョクグマを観察するツアーでは大きなタイヤのバギーに乗ります。
たとえ大きいクマで体長3m、体重750kgもあったとしても
辿り着けない安全なバギーです。
しかしながらこのホッキョクグマがうろうろしているのは
チャーチルの町から目と鼻の先です。
ホッキョクグマは犬の嗅覚の10倍、さらにとても賢い動物です。
人間が出す匂いなんてあっという間にかぎつけてしまいます。
チャーチルはそんなホッキョクグマと共存する為に、
このホッキョクグマがたくさんいるこの時期、
ポーラーベアーアラートという24時間体制の政府のパトロールの機関があります。
「ここからはホッキョクグマの地域です。」
こんな看板も見られます。
町にホッキョクグマが現れることもしばしばあります。
そんなときはポーラーベアーアラートの職員が威嚇射撃をして
近寄ってはいけない地域だとクマに知らせます。
もし何度も何度も町に来てしまうようなクマがいれば、
麻酔でクマを眠らせて、ヘリコプターで遠くへと運んだりもします。
ホッキョクグマと共存する町チャーチルにはさまざまな工夫があります。
この数年でホッキョクグマが人間に危害を与えたという事故は報告されていません。
昨年のシロクマツアーには地球温暖化に興味がある方が多数ご参加されました。
地球温暖化が進み、氷が張るのが遅くなり、アザラシの狩りをする期間が短くなってしまったら、ホッキョクグマはどんどん体重を減らし、種の存続の危機を迎えます。体重が少ないメスは出産ができないのです。
地球温暖化の象徴でもあるホッキョクグマを間近でみることによって、より一層環境問題の意識が高まるのは確かです。
またホッキョクグマと共存する珍しい町チャーチルから学ぶことがたくさんあります。
ISM/四條
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ポーラーベアアラート、ってすごいですね。
カナダならではの雄大さのように感じます。
Canadaさん
コメントありがとうございます。
そうですね、ポーラーベアーアラートもそうですが、
カナダの現場で働くプロというのは日本では想像できない仕事も多く、
その人々の仕事ぶりを近くで見るのはとても感動します。
昨年は弊社で出したツアーの全員が運良く
ヘリコプターでホッキョクグマを運ぶ作業をご覧頂くことができました。