ホッキョクグマの親子

★ 2008年10月21日 07:35

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私たちがツアーを実施しているこの時期、

一日に平均して遠くに見えた個体を含めて15頭ほどのホッキョクグマを観察しています。

その中でも見られたら嬉しいのはやはり親子です。

ほとんどの場合、、、親子と期待していると子供が小さいように感じますが、

お母さんクマより一回りだけ小さいのがほとんどで、意外と成長しています。

 

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12月から1月に巣穴で出産を終え、3月頃までは巣穴から出てきません。

生まれたときは500gほどと本当に小さいのですが、

お母さんクマの栄養たっぷりのミルクですくすくと育ちます。

ツアーでみるころにはもうほぼ1歳くらいになっていますし、

2歳半くらいまではお母さんと行動を共にしていますので、

もう2歳になろうかという小熊もいます。

しかしながら2歳の大きな小熊を見たら、

うん、よく生き延びたねとほめてあげて下さい。

生まれてから1年後の生存率は50%しかありません。

P1260562.JPGのサムネール画像

ホッキョクグマは一度に2頭出産することがほとんどです。

こんな風に、お母さんと1頭の小熊をみたら、

どこかで兄弟を失ってきてしまったかもしれません。

残念ながら肉食動物の頂点に立つホッキョクグマにとって、

一番の脅威はオスのクマです。

オスはメスや小熊を襲ってしまうことがあります。

その為お母さんクマはオスから離れて子育てをします。

ツアー中、突然のんびりのホッキョクグマが走り出したら、

それはオスのクマが近くにいるので、逃げているところかもしれません。

母熊がオスと戦っている姿も見られることもあります。

母は強し。。。ですね。

 

ISM/四條

 

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コメント

ほほえましいホッキョクグマの親子の様子。。。
でもその背景には、生存するために本当に厳しい環境があるのですね。
そういうことを知った上でツアーに参加すると、また違った視点や思いでクマたちを見られるような気がします。

トラベル三郎さん

コメントありがとうございます。

はい、昨年ご参加されたお客様もホッキョクグマの生きる環境や
地球温暖化が与える影響やホッキョクグマの生態などに
とても興味をお持ちで、現地にて積極的なご質問を受けました。

やはりいろんなことを知った上でご覧頂くと
さらにツアーに深みがでると信じています。

でも目の前にすると、単純にかわいい。。。とため息、
みなさんにこにこしてしまいます。

すごい親子喧嘩(?)ですね。なんだか、人生観まで変えてくれそうなきがしました。

写真のホッキョクグマの首に付いているのは発信機ですか?ホッキョクグマの生態などを調べているのでしょうか?

カナダさん

コメントありがとうございます。
そうなんです。極北の肉食動物の頂点に立つ彼らの敵は
オスのクマと人間です。
母熊は子育てに2年から3年も費やします。
その間、この厳しい大地での過ごし方や、狩りの仕方を学ぶので、
一度はぐれてしまった小熊が生き残るのはとても難しいです。

ぽんさん

いつもコメントありがとうございます。
そうです、これはGPSの発信機ですね。
これで冬の狩りのシーズンでも、どのくらいのキョリを移動しているのか
その行動パターンなどを調査できます。
通常ホッキョクグマは北極点を中心とした
海の凍る場所に生息しているため、
チャーチルのように人間がたどり着ける場所はとても珍しいのです。
観光客だけではなく、世界中の研究者たちも集まります。
ホッキョクグマの生態で知られている内容のほとんどが
このチャーチルでの調査からなのです。
このように発信機をつけているクマはそれほど数はいませんが、
チャーチルのホッキョクグマはほぼ全部が
耳に小さな白いピアスをつけています。
その生息数の確認のため、調査されたクマのしるしです。

地球の温暖化で氷原が減り、お腹をすかした北極グマがえさを求めて人間の住むエリアに出没しトラブルを起こしているとテレビ番組を見て知り、悲しくなりました。

チャーチルと言えばホワイトベアタウンとして有名であると同時に、オーロラ観賞地としても知られていますが、北極グマ観察とオーロラ観賞は同じ時期にツアーを組むことは可能でしょうか。

けいちゃんさん

コメントありがとうございます。
現在チャーチルにおります。
今年もたくさんのシロクマたちが鑑賞されています。

最近テレビでよくシロクマたちがでてくるようですね。
ただ、少しずつニュアンスが違うところもあります。
氷がなくなったから人間のところに来ているわけではありません。
チャーチルの町自体シロクマがもともと生息している地域であり、
犬の10倍の嗅覚をもつ彼らが、人間の生活のにおいで
よってきてしまうのは仕方がないことです。

ただ、人間によって温暖化が進み、彼らの生活のベースである
氷を早く溶かしてしまっていることは確かです。

チャーチルはオーロラが鑑賞できる土地ではありますが、
ベストシーズンは1月か2月と
シロクマ鑑賞の時期とはずれてしまいます。
もちろん11月でも見られる可能性もありますし、
実際私は3日前にうっすらとしたものをみましたが、
天候が不安定な11月は鑑賞に適さないと言っていいでしょう。
シロクマツアーのラッキーなおまけととらえる程度になります。