自然 Nature
ローレンシャン高原の紅葉
ユーコンクエスト
○○クエストと言っても、モンスターを倒してレベル上げ、
最後のボスを倒し、平和を取り戻すと言うゲームの事ではありません。
世界最高峰の犬ぞりレースの事を『ユーコンクエスト』と言います。
犬ぞりを操縦する人をマッシャーと呼びますが、日本人で挑戦する
冒険家も少なくありません。
ユーコンクエストは走行距離1600kmと言う果てしないレースですが、
カナダのホワイトホースでは、2泊3日で手軽にキャンプをしながら犬ぞ
りを楽しめます。
ワンポイント犬ぞりレッスン!
まずはスタートダッシュ。犬たちは無条件で猛ダッシュ。
転倒しないように、振り落とされないようにが大事。
スタートダッシュが決まったら、犬の気持ちになって考える。
引張れる力は決まっているので、犬への負担が均一になるように
協力してあげること。
坂になったらソリを降りて『走る』『ソリを押す』。
自分も辛いけど、犬を励ます声をかけてあげる『がんばれ~がんばれ~』
そして最後は、思いっきり褒めてあげましょう。
『よく頑張ったね』
ソリを引くと楽しい事が待っている・・・と言う事を犬に教えてあげましょう。
犬に何かを期待される存在になる事が上達への第一歩ですね。
この人、次に何をするんだろう・・・ワクワク・・・ワクワク
犬とたわむれる2泊3日間って言うのも良いですよね!
井澤
ツンドラ紅葉。
カナダの紅葉と言えば東部のローレンシャン、モントリオール、ケベックを想像される方も多いと思いますが、今回はユーコン準州の紅葉をお知らせします。
この写真はテュームストーン準州立公園で見れるツンドラ紅葉です。
ツンドラ????昔、昔、理科の授業で習った事のある単語です。
ここは永久凍土が広がる一帯で大きな樹木は、この厳しい自然現象ゆえに根が育たず、苔やベリー系の膝下までの草木が赤く紅葉するシーンが季節限定で楽しむ事が出来ます。
晴天の時にはご覧のような澄みきった青い空、何万年前に氷河が削った切り立った山々に覆う雪、紅葉の赤、黄葉の黄色と色彩(カラー)で楽しませてくれます。
カナダも捨てたもんじゃないでしょ!! こんな素晴らしい自然がまだまだあるんですよ。。。
出口 信
人間とホッキョクグマの共存
ホッキョクグマが人口よりも集まってしまう町チャーチル。
野生のホッキョクグマを観察するツアーでは大きなタイヤのバギーに乗ります。
たとえ大きいクマで体長3m、体重750kgもあったとしても
辿り着けない安全なバギーです。
しかしながらこのホッキョクグマがうろうろしているのは
チャーチルの町から目と鼻の先です。
ホッキョクグマは犬の嗅覚の10倍、さらにとても賢い動物です。
人間が出す匂いなんてあっという間にかぎつけてしまいます。
チャーチルはそんなホッキョクグマと共存する為に、
このホッキョクグマがたくさんいるこの時期、
ポーラーベアーアラートという24時間体制の政府のパトロールの機関があります。
「ここからはホッキョクグマの地域です。」
こんな看板も見られます。
町にホッキョクグマが現れることもしばしばあります。
そんなときはポーラーベアーアラートの職員が威嚇射撃をして
近寄ってはいけない地域だとクマに知らせます。
もし何度も何度も町に来てしまうようなクマがいれば、
麻酔でクマを眠らせて、ヘリコプターで遠くへと運んだりもします。
ホッキョクグマと共存する町チャーチルにはさまざまな工夫があります。
この数年でホッキョクグマが人間に危害を与えたという事故は報告されていません。
昨年のシロクマツアーには地球温暖化に興味がある方が多数ご参加されました。
地球温暖化が進み、氷が張るのが遅くなり、アザラシの狩りをする期間が短くなってしまったら、ホッキョクグマはどんどん体重を減らし、種の存続の危機を迎えます。体重が少ないメスは出産ができないのです。
地球温暖化の象徴でもあるホッキョクグマを間近でみることによって、より一層環境問題の意識が高まるのは確かです。
またホッキョクグマと共存する珍しい町チャーチルから学ぶことがたくさんあります。
ISM/四條
チャーチルって...
ホッキョクグマとの出会い
マニトバ州の州都ウィニペグから北へ約900km。チャーチルという小さな町があります。
道路は続いていないので、鉄道か飛行機でしかアクセスできない、信号も自動販売機もファーストフードのお店もないこの町を「僻地」と呼んでいいのでしょう。人間にとったら。
でもあのホッキョクグマが集まる場所としたら、「都会」といった方が正しいかもしれません。
ホッキョクグマはロシア、アラスカ沿岸、グリーンランド、デンマーク、ノルウェー、カナダの北極点の周辺に生存しています。野生のホッキョクグマをみるのは人間にとってとても難しいのです。
それなのに氷の上でもない、北極圏でもないこの町にホッキョクグマが集まってくる。それも人間の生活圏のすぐそばまで。そんな「特殊」な町チャーチル。
ホッキョクグマがこのチャーチルに集まるのには理由があります。
チャーチルはハドソン湾に面した町です。地形的条件が重なって、ハドソン湾でも一番氷が早く集まってきます。ホッキョクグマの主食であるアザラシの狩りにより早く出かける出発地点として最もいい土地であるのです。
まだかまだかと氷が固まるのを待っているホッキョクグマたち、
チャーチルで何をしているって、、、、
のんびりしてます。
時にはオス同士でじゃれあいながらレスリングをしたり、キツネをおっかけて遊んだり、氷が固まっているかを確かめようとして海に落っこちたり。
動物園では決して見ることのできない豊かな表情が目の前で見ることができるのです。
こんな風に観察用のバギーに近づいてくることもあります。
そんなときにはこんなに息のかかりそうな位置にくることも!
ちょっと血走った白目、おおきな犬みたいな黒い鼻、ふーふー言いながら変な生き物人間を観察しにきました。
遠くで見えているときは「わーすごい」とか「かわいいー」とかいろんなことが言えるのに、ここまで近づくと人間って声が出せなくなります。
かわいいような怖いような、野生に出会ってしまった感動に、一瞬のアイコンタクトに何も言えなくなります。
帰ってからも、この目が合ったホッキョクグマが、厚い氷の上で、アザラシを追いかけてのっしのっしと歩いていると思うと、簡単に日常からトリップしてしまいます。
ISM/四條