航空券ホールセラーから見る需要動向(1)レジャー取込に手応え(3/3)

業務渡航の利用増は不透明

110215_haneda_05.jpg 羽田便の旅客層については、各社とも正確な数字は把握していないという前提ながらも、当初想定よりもレジャー客は多いと感じている。ダイナスティーホリデーは「午前便は業務渡航、午後便はレジャー、という既定路線は再検討する必要があるのではないか」として、午前便の出発時間が早いというデメリットを、台北で過ごす時間が長なるというメリットに置き換えてレジャー向けの販促を進めていく考えだ。

 また、クロノスの徳山氏は「航空会社の多くが当初は業務渡航がメインターゲットと言っていたが、飛び始めるとレジャーの需要も多いという航空会社も出てきた」と話す。OTAの奥泉氏はSQの羽田便について「昼間の時間帯なら、業務渡航のメリットを出せるだろうが、深夜便では難しいのでは」と疑問を呈する一方、「企業のインセンティブからの反応はいい」という。同様に、ベルツアーも深夜早朝便に関しては、「ステータスの高い客層には不人気」とするものの、「サラリーマンやOL層の安・近・短デスティネーションへの週末レジャーは増えているのではないか」との感触だ。

 今後、北米キャリアが羽田便を深夜早朝時間帯で就航させる。デスティネーションを見ると、ニューヨーク、デトロイト、ロサンゼルスなどビジネス需要が見込まれる都市が多い。深夜便のマーケットがどう動くのか。注目されるところだ。


取材:山田友樹