航空会社の戦略(2)外航、深夜早朝発着で未知のビジネスに挑む (2/4)
( 2010年11月 9日 )
ACはレジャー需要、乗り継ぎ利用で米系もレジャー取り込みへ
一方、同じ北米路線でも、バンクーバー線に就航するACはデスティネーションの特性から、米系2社とは異なる戦略を描いているようだ。AC日本地区旅客営業マーケティング本部長のワイス貴代氏は「バンクーバーにそれほど大きなビジネス需要はない。レジャー市場に注目している」と語り、その発着時間帯から「特にバジェット・トラベラーや若年層をねらいたい」という方向性だ。機材はCクラス23席、Yクラス187席のB767-300ER型機になる予定で、「就航当初は搭乗率85%以上、夏期は95%以上をめざす」と意欲を示す。
米系2社もレジャー市場を軽視しているわけではなく、成田便とは異なる発着時間のため新しい旅行商品の造成も可能とアピールする。例えば、AAのニューヨーク便、DLのデトロイト便は早朝到着するため中南米・カリブ方面への乗り継ぎがよく、これまでにない需要が創出される可能性がある。AAの稲葉氏はレジャー客について、「パッケージとエアオンをあわせて、メインキャビンで65%ほど」と見込む。また、ACもバンクーバー経由での乗り継ぎ需要にもビジネスチャンスを見出しており、ワイス氏は「オーロラで有名なホワイトホースへの便のコネクションがよい。また、ラスベガスからの帰りも同日乗り換えが可能」と、以遠需要の可能性を含めた羽田便のメリットを強調する。