航空券ホールセラーから見る需要動向(2)地方需要取込へ施策 (3/3)

羽田発タイのパッケージが好調

エーアンドエー、TG羽田便は新しい時間帯の効果大

110216_haneda_05.jpg タイ国際航空(TG)のツアー商品ロイヤル・オーキッド・ホリデイズなど、タイを専門に扱うエーアンドエー。営業部長の枝川淳氏はTGの羽田/バンコク線について、「就航前は供給過多の懸念があり、どれだけレジャーのお客様を集客できるのか分からなかったが、問い合わせも多く好調に推移している」と話す。同路線の使用機材はエアバスA340-500型機で、エコノミークラスは155席。タイ人のインバウンド需要も高く、日本発の座席が取りづらい状況で、「グループで固まって取るのが難しい状況」と明かす(2010年12月24日取材時点)。

 羽田便の就航後の特徴としては、発着地をミックスして利用する旅行者が増えたことを指摘する。「プーケットに行く場合、行きは直行の成田便を利用し、帰りは羽田」と例を挙げ、利用者にとってはフライトパターンの選択肢が広がったと評価する。また、TG661便は早朝にバンコクに到着するため、「ゴルフパッケージなど新しい現地の過ごし方を提案できる」と話す。復路のTG660便の羽田着は、日系2社の翌日早朝着とは異なり同日の午後10時30分で「この時間設定も好まれていると思う。時間帯が異なるので、価格競争にもならない」とメリットを強調する。今後は、TGの戦略にも沿って、アッパークラスの取り込みにも力を入れていく考えだ。

 集客地域については、圧倒的に東京と神奈川。その地域のリテーラーから見積もりを頼まれるとき、「第一希望で羽田、第二希望で成田」というリクエストが増えてきているという。地方については、「今後、静岡、長野、山梨などに広げていきたい」と話し、「冬期については仙台や札幌も意識している」と付け加えた。


取材:山田友樹