現地レポート:台湾、羽田/松山線就航で広がるショートトリップの可能性 (2/4)

都心の松山空港

中心地への近さが効率的な旅行を可能に

101126gr_02.jpg 今回の日帰り旅行で利用したのは、羽田/松山線を就航する4社計8便のうち、最も羽田の出発時間が早い便と羽田への帰着が最後の便で、午前7時00分に羽田を発ち、午後9時55分に戻る。チェックインなどの時間を考慮して、現地滞在時間は7時間ほどで、その間に故宮博物院の観光と鼎泰豊(ディンタイフォン)での昼食、ショッピングとお茶セミナー、足裏マッサージ、と主要スポットや体験が盛り込まれたコースだ。

 日帰りにしては訪問先が多く、慌ただしい旅程になるのではないかと思えたが、松山空港は台北都心部に位置しており、例えば台北車站や台北101まではMRTや車で15分から20分程度とアクセスの利便性がかなり高い。さらに羽田同様コンパクトな設計で、空港内もさほど歩き回らず外に出られるなど、移動時間が短いため効率よく観光に時間が使える。

 今回の故宮博物院の鑑賞時間は90分で、ガイドの案内で翡翠の彫刻「白菜」をはじめ特に人気がある展示を見て回った。後半には自身で展示を回ったり館内でお土産を買う時間として自由時間が取られたが、少し駆け足になってしまった。70万点以上の収蔵品がある館内は、思う存分に見ようとすると所要時間は測りきれない。ただし、90分の鑑賞時間は宿泊を伴うツアーでも同じ行程のものもあり、特に短いわけではなく、一般的に人気のある展示物をしっかりと鑑賞するのは可能だ。とはいえ、ツアーのターゲットやテーマに応じて鑑賞時間を調整する必要があるだろう。

 また、ツアー参加者の反応が特に良かったのが鼎泰豊だ。ニューヨークタイムズに「世界10大レストラン」の一つとして紹介され、2009年には香港店がミシュランで星を獲得したこの点心料理専門店は、各国からの観光客や地元の客で常ににぎわっている。今回訪れたのは本店で、正面のガラス越しに職人たちが熟練の技で小籠包を作っているところが見られ、待ち時間につい見入ってしまう。名物の小籠包を一口食べた瞬間、「この小籠包のためにまた台湾に来たい」という感想が参加者から飛び出した。鼎泰豊は台北のほかの点心の店に比べて高価格になるが、それでも日本の感覚からするとリーズナブルに本当においしい料理を楽しむことができる。その後、お茶セミナーとショッピングに寄り、最後に足裏マッサージで1日の疲れを癒して、松山空港から帰路についた。