現地レポート:台湾、羽田/松山線就航で広がるショートトリップの可能性 (3/4)
休暇取得が不要の週末ショートトリップに期待
日帰り旅行は確かに強行軍的なツアーといえる内容だが、実際に体験してみるとそれぞれのスポットで急かされるようなことは少なく、意外にじっくりと楽しめる印象を受けた。組み合わせ方によってはあと1、2ヶ所まわることもできそうなくらいだ。夕方に空港へ向かうため、残念ながら夜市や温泉に寄ることはできなかったが、あと1日あればかなり多くの観光ができるだろう。1泊2日であれば休暇を取らず週末だけで行ける気軽さが、旅行需要を呼び起こす起爆剤になりそうだ。
このツアーを賞品としてCIが実施した「パッとシュッと台湾トリップキャンペーン」には、9月のJATA世界旅行博会場や駅前で配布したチラシ、CIホームページを通じて6000名の応募が集まった。応募の際に実施したアンケートによると、台湾への渡航経験は0回、1回、2回から4回がそれぞれ2割ずつで、5回以上が4割という結果となった。回答者は海外旅行に関心のある人の割合が高いとみられるが、8割が台湾を訪れたことがあり、その多くが複数回渡航しているという。デスティネーションの継続的な成長にはリピーターの取り込みなくしては難しいが、台湾はその条件をクリアしているといえる。日帰り旅行はCI利用でなくては難しいかもしれないが、1泊2日ならCI以外の3社の羽田便でも実現可能だろう。羽田線就航で新しい旅行スタイルが可能となることで、新規客とリピーターの両方の底上げに期待したい。
羽田線の就航に加え、2011年は台湾100周年という節目を受け、日台交流人口目標は300万人に設定されており、達成の糸口としてまずショートトリップという新しい旅のスタイルを浸透させていく必要がある。今回の研修旅行は台湾日帰り旅行のインパクトに加え、参加者の中に特別枠で当選した、両空港と同じ名前の「羽田」さんと「松山」さんが12名いたという話題性もあり、日本と台湾双方で各種メディアに取りあげられ、羽田/松山線は好調な滑り出しとなったという。CIではそのほか、羽田線の利便性を体感してもらおうと3ヶ月間の特別料金を設定するなど、積極的なプロモーションを展開している。