現地レポート:シンガポール、大型リゾート開業と羽田就航後の変化 (3/5)
ハードとソフトの両面に特徴-マリーナベイサンズ
3つのタワーとそれを繋ぐ屋上の「スカイパーク」で形成されるマリーナベイサンズ。建物そのもののインパクトが強く、シンガポールの新たなランドマークといってもよいほどの力強い印象を受ける。同施設は55階建、2500室を超える客室とスイート、18の異なる部屋のタイプで構成されている。さらに総面積12万平方メートルの広さを誇る「サンズ・エクスポ&コンベンションセンター」を有しており、MICEなど様々なニーズの催し物に対応可能だ。2010 年4月末の開業以来、すでに550のイベントの誘致に成功しており、総勢35万5000人の人々が今後、訪問を予定しているという。
また、同施設はシンガポールの新たな観光スポットとしても賑わいをみせている。3つのタワーを繋ぐ屋上「スカイパーク」は、幅38メートル、全長340メートルで、面積は約1万2400平方メートルの広さがあり、360度シンガポールの眺望することができる庭園やレストランが備えられている。特に注目は、ビルの縁に沿うように作られたプールで、まるで空中に浮かんでいるかのように見えるその風景は、ビルのシンボル的存在として人気がある。スカイパークへの入場は宿泊客なら無料で、宿泊客以外でも20シンガポールドルで入場できる。ただし、プールの利用は同施設の宿泊客に限定されている。
ショッピング施設も充実している。アジアのプレミアム・ショッピングモールと称される「Shoppes」(ショップス)は、最終的には300を超える小売店とレストランが出店する予定で、現時点で約150店舗が出店。これまでオーチャード地区が主流だったショッピングスポットの幅が広がった。店舗も高級ブランドからカジュアルブランドまで多岐に渡っており、様々な年代のニーズにも対応できそうだ。
さらに、マリーナベイサンズではハード面だけでなく、オペレーションの充実もはかっている。例えば、シンガポール初となるホテルでの搭乗手続きと荷物預け入れサービスの開始である。チャンギ空港でSQまたはシルクエアー(MI)に搭乗する宿泊客を対象に実施するもので、その場で搭乗券と手荷物引換証を渡し、利用者がチャンギ空港到着後、そのまま出国手続きを通って搭乗ゲートに進むことができるようにした。
このほか、2011年3月3日には「マリーナベイサンズ・シアター」でディズニー・ミュージカル「ライオンキング」が開幕する予定で、マリーナベイサンズはオープン以降も次々と新しい話題を提供し続けている。