ターミナルの実力は? (3/6) 出発までの流れ

出発までの流れ

シンプルで分かりやすく、ユニバーサルデザインで利用しやすい動線

P1020106.jpg 出発ロビーは3階。ターミナルに到着後、すべての動線がまずアクセスホールに集まり、出発の手続きカウンターに向かう。東京モノレールの場合、改札が出発ロビーと同じ3階にあるため、そのままストレートにカウンターに進める。京浜急行の場合、駅は地下にあるため、エスカレーターもしくはエレベーターで出発ロビーまで移動することになるが、その動線はシンプルで分かりやすい。

 このほか、バスおよびタクシーは1階に到着。駐車場は連絡通路で2階と直結。いずれもアクセスホールを上がって各カウンター向かう動線だ。

haneda_benri3_02.jpg 出発ロビーは、大きな窓から外光を取り入れた明るい空間。4アイランド96カウンターが並ぶ。旅行会社のセンディングカウンターは、両端に設置されている。また、1階のエントランスプラザには団体用のチェックインカウンターが10ブース設けられた。フラットなターミナルは見通しがよく、ツアーや団体の集合に関しても旅行者がカウンターを探して迷うことは少なそうだ。また、FITの旅客は、40台程度導入される予定のセルフチェックイン機が用意されている。

 また、みずほ銀行と三井住友銀行の両替所があるほか、各社携帯電話レンタル、手荷物一時預かり所、海外旅行保険など、出発前に必要な手続きがカウンター周辺で一通りそろっている。

 チェックイン後は、そのままストレートに進めば出国審査場、4階に上がれば商業施設の「江戸小路」、さらに5階に上がれば、アニメキャラクターの関連店舗、プラネタリウム、展望デッキなどが広がるエンターテイメント空間という流れになっている。出発まで、時間が十分にあれば、出国審査場に入る前に存在を案内して時間を使ってもらうのもよいだろう。

 出国審査場を出て制限エリアに入ると、世界に名だたる高級ブランドショップをはじめとする免税店が並ぶ。合計24店舗のショップがオープン。そのほか飲食店4店舗、サービス店3店舗が出店する。出発前に、食事を済ませたい旅行者には、出国前に済ませるほうがレストランの選択肢が多いので、そのことを伝えておきたい。

haneda_benri3_04.jpg 制限エリアの4階には、JALとANAのラウンジのほか、TIAT(東京国際空港ターミナル株式会社)が用意するラウンジがある。TIATラウンジは2つに分けられ、一方はクレジットカード各社の上級メンバー向け、もう一方は外国航空会社の契約を見込んでいる。また、同じ階には軽食が楽しめるフードコートも設けられ、出発までのひと時を過ごせるようになっている。

 出発コンコースも、天井まで広がる大きな窓から自然光が入り込み、窓の外には国内線ターミナルが一望できる。フラットレベルで移動するため、各ゲートへのアクセスもスムーズだ。ユニバーサルデザインへの取り組みの一環として、搭乗橋にもバリアフリーを採用した。通路と機体との間の段差をなくした「ステップレス搭乗橋」。世界ではじめての導入だという。

 このほか、TIATでは新しい取り組みとして日本の国際空港としてははじめてとなる「旅客通過確認システム」を導入する。これは、発券された搭乗券に付いている2次元バーコードを、保安検査場に設置されているバーコード・リーダーにかざすことで 旅客が保安検査を通過したか否か、航空会社が把握することができるシステム。そのデータを搭乗口の端末で確認することができるため、定時出発率向上などに役立つと期待されている。