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海外ゴルフのメッカでゴルフ三昧の休暇

堅調なゴルフ市場に新たな動き、楽しみ方も多様に
~夏季にすすめたいお得なプレイ、トワイライトや午後料金も~

0604_00012.gif 青く澄み切った海や空、風になびくヤシの木など、風光明媚な景色をバックにプレイできるハワイのコースは、まさにゴルファーにとっては憧れの舞台。現在ハワイにはメンバーコースや国が所有する軍のコース、市営コース等を含めて、80数ヶ所のゴルフコースがあるが、その中でも今回は、ワイキキに滞在する旅行者にとって利用しやすいセントラルオアフからオアフ島南部に点在するコースを、日本人のハワイゴルフ旅行動向とともに紹介していきたい。ハワイ旅行の成熟とともにゴルフ旅行にも新たな楽しみ方が増え、今後も堅調に推移すると見込める。


ワイキキから便利な立地にコースが点在

0604_00013.gif オアフ島では、セントラルオアフからウエストオアフの南部一帯がゴルフのメッカである。90年代前半の5年間、日本の企業がスポンサーとなったLPGAトーナメント「カップヌードル・ハワイアン・レディス・オープン」の開催コースになっていた「カポレイ・ゴルフコース」をはじめ、比較的オープンでスコアーメイキングがしやすい「コーラル・クリーク・ゴルフコース」、メインテナンスの評価が高い「エバ・ビーチ・ゴルフクラブ」、そして日本人にはあまり知られていないが、ほとんどのホールからワイキキダイヤモンドヘッド、パール・ハーバーなどを眺望できる「ロイヤル・クニア・カントリークラブ」など、人気の高いコースが点在している。

 また、ワイケレ・プレミアム・アウトレットのすぐ横にあり、レイアウトがツーリスト好みの「ワイケレ・カントリークラブ」、少し離れたセントラルオアフに位置する「ミリラニ・ゴルフクラブ」もメインテナンスは今ひとつだがローカル色にあふれレイアウトがユニークと評判だ。このほか、ウエストオアフにはリゾートコースが2つある。てんとう虫のロゴで知られ、過去2つのLPGAトーナメントの開催コースになった「コオリナ・ゴルフクラブ」と、オアフでは唯一27ホールを持つ「ハワイ・プリンス・ゴルフクラブ」である。このように、いずれもワイキキから車で45分以内で行ける範囲に8つのコースがあり、旅行者にとっても気軽な距離でプレイが楽しめる。

 最近では、以前と比べるとレンタカーを運転してゴルフコースを訪れる日本人旅行者が増えている。4人くらい集まれば割安だし、日本語ナビ付きのレンタカーも多く、安心して運転できるほか、ゴルフの後にショッピングや食事にそのまま行ける足回りのよさが受けているようだ。また、ジュニアゴルファーを連れたファミリーゴルフも年々増加している。ハワイのゴルフコースはジュニア向けの料金を用意しているところも多く利用しやすいが、ハワイでゴルフデビューをするよりは、ある程度経験を積んで、最低限の基本を身につけてからハワイのコースにデビューさせるようにしたい。


時間に余裕があれば割引料金がお勧め

0604_00022.gif 滞在時間が限られている旅行者の場合、夕方から他のアクティビティをする時間が十分にとれることから、朝早めのティーオフタイム(スタート時間)でのプレイを希望するゴルファーが多い。一方、時間をあまり気にしない人や、ゴルフが旅のメインの目的でリーズナブルに多数のコースを楽しみたい人には、午後からの割引料金やトワイライト料金を利用して、同じコースを半額くらいでプレイする方法もある。特にこれから夏に向けて日が長くなるので、トワイライトでもトップのティーオフタイムでスタートすれば18ホールを終了することも可能だ。

 夏季(4月から10月末まで)のトワイライトは早いところで午後1時くらい、遅くても午後3時までにスタートする。ただしトワイライトはあくまでも、コースクローズまでに回るプレイで、全18ホールは終了できないという前提の下での料金設定だということを承知の上でエントリーしたい。混んでいる時には、12ホールや13ホールしかプレイできないこともあり、かえって割高になる場合もあるからだ。各コースのトワイライト時間と料金の一例をあげると、ワイケレ・カントリークラブが午後2時30分スタートで60米ドル、同じ午後2時30分スタートのハワイ・プリンス・ゴルフクラブが55米ドル、カポレイ・ゴルフコース(日によって午後3時30分の時がある)が75米ドルと、かなり良心的な設定となっている。ティータイムの予約が可能なコースもあるので、事前に確認しておきたい。

 一方、18ホールを回りきれる時間にはスタートしたい、という人には12時ごろからの午後料金を設定しているコースを利用するのも一つの手である。例えばコーラル・クリーク・ゴルフコースの場合は、ビジターには午後0時からトワイライトがスタートし、グリーンフィーが80米ドル、エバ・ビーチ・ゴルフクラブでは午後12時30分からビジター料金が95米ドルになる。また、リゾートコースのコオリナ・ゴルフクラブもビジター料金を午後12時から149米ドルに下げているほか、午後2時からのトワイライトなら119米ドルでプレイできる。午後料金の場合は、ティータイムの予約も事前に入れられる。時間が見えにくいトワイライトよりは、午後料金の方が結果的には賢明といえるかもしれない。


ゴルフ市場は変わらない、ハワイの魅力がゴルファーを惹きつける

0604_00032.gif ハワイを訪れる日本人旅行者の数は、今年1月から4月の数値で2.7%減と前年を下回っているが、現地のゴルフツアー会社によると、ゴルフ・リピーターの動きは平年通りで、その数は数年前と比較してもほとんど変わっていないという。日本人にとってはハワイの温暖な気候の中で心地よい潮風を感じながら、ダイヤモンドヘッドやパール・ハーバーを背景にプレイできるという魅力があり、さらに「ハワイでゴルフをすると飛距離が出る」という感想も時々耳にする。ゴルファーにとって飛距離がでるのは非常に気持ちのよいことで、自慢の種にもなるようだ。特に夏場の空気が乾燥している時期は空気の抵抗が少なく、フェアウェイもドライでランが出やすい(ボールが転がりやすい)、というのを日本のプロ選手が説明してくれたことがある。

 一方で最近、日本のゴルフコースは以前に比べると予約が取りやすく、平日ならば一流コースでも利用しやすい値段でプレイできるようになってきた。このあたりの事情について、日本のゴルフ場経営やコースデザインを手掛けるジー・エス・アイ(ゴルフ・システム・インターナショナル)の代表取締役でゴルフアナリストでもある三品智加良氏は「日本でのゴルフ人口は減っていない。7、8年前のゴルフ場の倒産が相次いだ時期は入場者数が減ったが、その後回復し、入場者を増やしているゴルフ場もある。ゴルフ人口が減ったのではなく、ゴルフの回数が減っていたようだ。それが、単価が下がって平均プレイ料金が1万円前後になったこともあり、入場者数も戻ってきたと思われる。さらに、石川遼選手の影響で女性ゴルファーが増えたことや、リタイヤ層の増加などもあり、単価が安くなったゴルフに再度、目が向いてきた」と述べる。

 わざわざハワイまで行かなくても、といってしまえばそれまでだが、独特の風景や快適な気候の中でのゴルフはハワイだからこそ経験できることでもある。日本のゴルフ料金の低下と平行して、ハワイでのゴルフの価格も手頃になってきた。日本人旅行者にはうれしい円高の今、ゴルファーにはぜひ、ハワイで自分の飛距離を試してみる絶好の機会として勧めてみたい。

 

ハワイでのゴルフ、注意点

0604_06.jpg ハワイでゴルフをする場合、ほとんどのコースでカートを使用してプレイをすることになる。運転は簡単のように見えるが、ちょっとしたことでパニック状態になる人も少なくないので、初めての場合、油断は禁物である。通常はカートにバッグを乗せた後、スタート前に必ず運転者の名前と電話番号(または宿泊ホテル名)等を書き、「18ホール終了までは個人の責任においてカートを運転し、その間に生じた事故やカートの損傷に関しては一切本人の責任とする」という内容の文書にサインをさせられる。万一、事故を起こすとすべて自己負担となるので、旅行傷害保険を掛ける際にも注意したい。また、カート利用は基本的には運転免許のある人、あるいは18歳以上の大人が運転することが条件なので、ジュニアゴルファーがいる場合、必ず同伴の大人が運転しなければならない。

 また、夏場にハワイに来てゴルフをする人にもう一つアドバイスをしておきたいのが、日焼け止めの使用だ。陽が強く照り返している時は、ほとんどの人が日焼け止めを塗るが、日がかげっている時でも必ず塗るようにした方がよい。曇り空の時は赤くならずそのまま肌にしみ込んで黒ずんでしまうので、油断をしているとひどい目にあう。ゴルフコースでならそれ程日焼けはしないだろうと思う人もいるが、旅行者には太陽の強さは海にいるのとほとんど変わらないということを伝えたい。日焼け止めはたいていのゴルフコースに置いてあるが、値段は割高なので事前に準備しておくべきだろう。

 

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ダイヤモンドヘッド(オアフ島)

取材:トシコ・ワイト