ボイス・フロム・ハワイ:スポナビハワイ(エイビーズ)代表阿部栄一氏
2010年10月28日
スポーツを切り口としたハワイの今後の展望を探る
年間を通じて気候が安定しているハワイは、いわずと知れたスポーツ天国。海、陸、山で多彩なスポーツが楽しめます。そんなハワイで、日系企業としては初め てスポーツを目的としたハワイの楽しみ方に着目したマーケティング&サポートを展開、注目を集めているのが、スポナビハワイ(エイビーズ)です。今回は代 表の阿部栄一氏に、ハワイのスポーツ事情および今後注目すべきスポーツやイベントなどについてうかがうとともに、スポーツ目的で訪れるハワイという、新た な切り口の展望についてお聞きしました。
スポナビハワイ、エイビーズ代表
阿部栄一氏
Q.阿部さんのハワイとの関わりと、会社設立の経緯を教えてください
元々は旅行会社の駐在員として、1999年にハワイに赴任しました。そして2005年に独立し、ホノルルで設立したのが、観光業に関わるマーケティング会 社であるエイビーズでした。旅行会社の駐在員として、ハワイではスポーツやフラ関係のイベントのマーケティングを担当していたので、その延長線で航空会社 のプロモーションや旅行会社のイベント企画などを手がける会社を設立したわけです。
マーケティング・リサーチやイベント運営など大きく 分けて5つあるエイビーズの部門のうち、2007年に設けた一部門がスポナビハワイです。「ハワイでスポーツを楽しもう」をコンセプトにスポーツ専門サイ トを運営しており、ランニングやトライアスロンなど、20種目のスポーツをハワイで楽しむためのサポートを提供、今やエイビーズの主要部門に成長しまし た。
Q.スポーツ関連サービスに注目したきっかけは
ハワイではスポーツが盛んですが、それまで日本で紹介されているイベントといえば、ホノルル・マラソンやセンチュリーライド程度。ところが調べてみると、 年間200ものイベントがハワイにはあり、規模は小さくとも実に素晴らしいものもたくさんあるんですね。ただ、そういったイベントのサイトは英語だけで写 真もない。申し込み方法も明瞭でなく、海外在住の人にはわかりづらいピーアールしかされていない状況でした。
そこで約200のイベント に私や当社のスタッフが実際に参加もしくは見に行き、イベントの魅力、特にハワイ在住者以外の人も参加したくなるような内容であるか、安全性や運営がオー ガナイズされているかなどを3段階で評価。そのうえで選んだイベントをもっと日本の皆さんに知ってもらいたいとの目的でスタートしたのが、スポナビハワイ です。
Q.どんなサービスを提供しているのですか
選んだイベントに関しては、イベント概要の日本語での情報提供やエントリーの代行、必要書類やゼッケンなどの事前ピックアップ、イベントの写真入りリポー ト、イベントによっては会場までの送迎や現地でのサポート、荷物預かりなど、レース前後のフォローアップをしています。海外からスポーツ・イベントに参加 する人には、どんなサポートが必要なのかを考えて体制を整えました。そのほか「地元の人と一緒にランニングしたい」「地元チームと対戦したい」などのリク エストにも対応します。
Q.今、スポーツ目的でハワイを訪れる日本人はどれくらいでしょうか
当社のリサーチによると、まだ日本人旅行者全体の5%前後だと思います。年間120万人の日本人がハワイを訪れるとすると、6万人ですね。そのなかにはサーフィンをする人とかゴルファーも含まれるので、スポーツ・イベントに参加する日本人はまだ少ない状況です。
Q.その6万人の客層の特徴について教えてください
ハワイ来訪歴でいうと、やはりハワイ・リピーターが6、7割といったところでしょうか。意外と年配の人が多く、20代は少ないですね。30代から40代の 人と、50代から60代の人が半々くらいで、50代から60代の人では、年間何度もハワイでイベントに出場する人も少なくありません。スポーツ歴として は、バリバリのスポーツマンも多いですが、初心者もたくさんいます。ハワイでマラソン・デビューなど、初めてのスポーツ・イベントをハワイで体験しようと いう人もいて、サポートのしがいがあります。ハワイにはハーフマラソンの大会も多いので、例えばいきなりホノルル・マラソンに出るのではなく、まずはハワ イ島のコナ・マラソンのハーフに出よう、という人もいます。
Q.今、ハワイで人気のスポーツは
アメリカでも今、ランニングブームが続いていて、ここ数年でハワイの5大マラソン(3月のビッグアイランド・インターナショナル・マラソン、6月のコナ・ マラソン、9月のカウアイ・マラソン、マウイ・マラソン、12月のホノルル・マラソン)が、すっかり定着しています。日本からの出場者も増えていますね。 当社ではこれら5大マラソンを制覇した方に記念品を差し上げるキャンペーンを実施中で、今年初めて、達成した方が出ました。
また、道路ではなく山の中や坂を走るトレイル・ランニングも、最近注目されています。日頃ハイキングをするようなコースを走るのですが、12月にはオアフ島のクアロア牧場を走るエクステラ・クアロア・ランチ・トレイル・ランが予定されています。
このほかハワイらしいものとしては、スタンドアップ・パドル・サーフィンでしょうか。サーフボードの上に立ちパドルで漕ぐスポーツですが、地元の人々のほ か日本、アメリカ本土からの旅行客にも人気が高まっています。アラモアナビーチでは今や泳ぐ人とスタンドアップ・パドル・サーフィンを楽しむ人と水域が分 けられているほどです。
子供向けでは、サッカー。ハワイの子供の間ではサッカー人気が高く、年に4回、5歳から12歳の子供を対象に、 サッカー・キャンプとして地元のサッカークラブ主催のトレーニングが1週間単位で開かれています。日本からもプチ・サッカー留学という感じで参加する子ど もたちが増えおり、今年、当社がサポートした数は昨年と比べて倍増しました。
Q.最後に、阿部さんが日本人旅行者にすすめるハワイの楽しみ方を教えてください
旅行者の方もぜひ日の出を楽しむくらい早起きをして、ハワイの朝を楽しんでほしいですね。日中スポーツをしてもいいのですが、ハワイの朝の空気というか爽 やかさ、風などはもう格別です。早起きしてスポーツを楽しみ、朝8時にはホテルに戻ってくる。そしてその後にほかのことをするのなら、1日を2度楽しめる のではないでしょうか。
またビーチサンダルだけでなく、ぜひランニングシューズを持ってきてください。ランニングシューズさえあればゴルフでもジョギングでもハイキング、サイクリング、サッカーでも、どんなスポーツもできますから。
ありがとうございました
今週のハワイ50選
クアロア牧場(オアフ島)
クアロア牧場(オアフ島)
取材:森出じゅん