メイド・イン・ハワイ・フェスティバルで最新トレンドに触れる
トレンドの発信元、メイド・イン・ハワイ・フェスティバル
~食品からアート&クラフトまで、ハワイ産アイテムが一堂に~
毎年8月後半に開催されるメイド・イン・ハワイ・フェスティバルは、オアフ島で最大規模ともいわれる展示・即売会だ。ハワイ各島で作られる食品や工芸品、日用品などが一堂に集まる人気の高いイベントで、毎年開催を楽しみにしている地元の人たちも数多い。今年は8月20日から22日の3日間にわたって開催され、約500ブースが出展。来場者数は3万8500人を超えた。人気ブランドばかりでなく、これから話題となりそうな商品なども多数出展しており、ハワイのトレンドをいち早くつかみたいリピーターや、一味違ったお土産物を探したい旅行者にとっても興味深いイベントといえるだろう。
独自の商品をアピールする場に
メイド・イン・ハワイ・フェスティバルは、ホノルルのニール・ブレイズデル・エキシビションホールで毎年開催される。今年はイベント初日に足を運んでみたが、立体駐車場はかなりの混みようで、改めて人気の高さを実感させられる。この混雑を避けるため、地元在住でもバスでやってくる人もいるほどだ。
イベントの入場料は3米ドル、6歳以下の子どもは無料。会場を入って右側は、オアフ島だけでなく、マウイ島やビッグ・アイランド(ハワイ島)の各島で作られたアート作品や工芸品、食品などの会社がブースを設営、来場者に自分たちの商品を紹介していた。一方、左側は食品の試食や試飲のブースが比較的多かった。
出展しているブースを見てみると、聞いたことのある会社やブランド名も多いが、細々とオンラインのみで販売していたり、マーケットプレイスで売りはじめたばかりという出展者も結構いる。タロチップスで人気になったハワイアン・チップ・カンパニーなど、過去にこのイベントに出展したことがきっかけで話題となり、ハワイを代表するヒット商品となった例も少なくないだけに、ビジネスチャンスをうかがう出展者にとっては格好のアピールの場となっている。一方で、既に知名度の高いブランドにとっても、新しい商品の反響を試すマーケットリサーチの場として貴重な機会となっているようだ。
オリジナリティ満点の商品に注目
会場内を歩くと、とにかくブースの数に圧倒される。ひとつずつゆっくり回るととても1日では回りきれないほどだ。バス&ボディ用品、アクセサリー、アパレル、健康食品、アート、クラフトなど、とにかく数が多いので、ある程度関心の高いものに絞ってブースを回ることをおすすめしたい。
私が注目したブースのひとつが、Tシャツのリトル・ドラゴン・ガールズだ。このキャラクターのデザイナーはハワイ育ちで、現在はロサンゼルスに拠点を置いている。2006年にリトル・ドラゴン・ガールのブランドを発表すると、瞬く間にアメリカ全土に広がり、今ではアメリカのケーブルテレビのディズニーチャンネルの番組で使用されるブランドに成長している。キャラクターも、ハワイのフラガールにアジアらしい雰囲気を加えるなど、自分のルーツをいかしたデザインになっている。
クラ・クッションで売られていたアイピローも目を引いたアイテムだ。両目の上にちょうど収まるサイズのピローのなかには、乾燥した麦やヨモギをはじめマウイ島産のラベンダーも入っていて、香りも魅力。飛行機などで仮眠する時にもこれを使うと安眠効果がありそうだ。一方で、ハワイアン・ロミ・スティックというブースでは、背中のつぼを押すのにちょうどよさそうな木の枝をきれいに磨いて商品にするなど、見ているだけでも楽しいアイデア商品も少なくない。
食品のブースにもいろいろと興味深いものが並んでいた。ハワイアン・サンというブランドの缶ジュースを売っている会社が、新しく粉末にしたジュースの素を作り、ブースでピーアールしていた。近いうちにハワイ内のスーパーマーケットで売りたいとのことだったが、来場者に試飲してもらって反応を確かめていた。また、スパムのブースでは、スパム味のマカデミアナッツクッキーが並び、人気を集めていた。このほかにも、ココナッツウォーター、マウイ島のヤギの乳で作ったチーズや石けんなども、来場者の関心を集めていた。
人気シェフの実演やエンターテイメントも
エキスポ会場に隣接した特設ステージでは、ハワイアン・ミュージックのライブショーが上演され、今回はマカナ、マウナルア、カウカヒなど話題のミュージシャンが続々とステージに登場。ウクレレやギターが奏でる心地よい音色が来場者の心をつかんでいた。
さらに別の棟では、ハワイで人気のレストラン・シェフによるハワイ産の食材を使った料理の実演が行なわれた。実演したシェフは、料理の鉄人として知られる森本正治氏をはじめ、ニーマン・マーカスのレストランの「マリポサ」やシェラトン・ワイキキの「カイ・マーケット」のシェフなど多彩な顔触れで、会場の200席近いシートはすべて埋まってしまうほど。紹介されたレシピのメモを取りながら熱心に実演に見入っている人も多く、好評を博していた。
来年も8月後半に実施されるこのイベントは、旅行者にとってもハワイのさまざまな物産や工芸品を通じてハワイを知る格好の機会となるだろう。
今週のハワイ50選
ハワイアン・ミュージック(全島)
ハワイアンフード(全島)
マカデミアナッツ(ハワイ島)
取材:堀内章子