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多彩な作品の宝庫ワイキキ・アート・フェスト

個性が競いあうワイキキ・アート・フェスト
~地元アーティストによる手工芸品のブースでハワイに触れる~

 

100401hwi_top.jpg カピオラニ公園の一画で開催されるワイキキ・アート・フェスト。地元アーティストの個性豊かな手工芸作品と巡りあえる格好のスポットとなっており、観光 客の姿も少なくない。月に1度、土曜日と日曜日の週末に開催され、会期中はライブ・ミュージックのステージや、ローカルなメニューを売るフードブースもあ る。会場であるカピオラニ公園はダイヤモンド・ヘッドの西側に位置し、ワイキキから徒歩でのアクセスも可能。ワイキキ・トロリーの停留所もあるので、気軽 に訪れることができる。お土産探しはもちろん、ハワイらしさを楽しめる場所として、付近の観光のついでに足をのばすことをすすめたい。


ステージやプレートランチの楽しみも

100401hwi_01.jpg ワイキキビーチをはじめ、ホノルル動物園からも徒歩数分のカピオラニ公園で開催される「ワイキキ・アート・ フェスト」は、今年で11年も続いている人気のイベントだ。2010年は12月をのぞき、各月1度の開催が予定されている。開催日は月によってことなる が、毎回70から80のブースが並び、毎回出店するブースもあれば、時々参加するブースもある。開催ごとに多少なりとも顔ぶれが変わっており、行くたびに 違った作品に出会う楽しみがある。出店者のほとんどが実店舗を持たない、趣味からはじめた地元アーティストばかりで、オリジナリティ溢れる作品を見て回る だけでも一見の価値はあるだろう。ロコに交じって観光客の姿も多く、ビーチ帰りに、あるいはホノルル動物園に行くついでにふらりと立ち寄る人たちも見受け られた。

 ワイキキ・アート・フェストではさまざまなイベントを開催しており、今回はバックヤード・ジャムという麻薬撲滅のためのキャン ペーン・イベントが行なわれていた。ステージではライブ・ミュージックが演奏され、ステージのすぐ横に並ぶブースで販売するロコフードやプレートランチを 食べながら、ハワイアンミュージックを楽しむ人たちも大勢いる。このほか、フェイスペイントやクラフト作りに無料で参加できるブースも設営 されており、この周辺はロコの子供たちでにぎわっていた。


手作りジュエリーのブースが充実

100401hwi_02.jpg ブースを見渡してまず目につくのは、手作りジュエリーのお店が多いこと。各アーティストが思い思いのデザインでジュエリー を作り、売りに出している。素材はメタル・ジュエリーをはじめ、ペリドット、アクアマリン、ガーネット、アメジストなどのジェムストーン、あるいは化石を ペンダントにしたものなど、実にバラエティ豊かな手作りのアクセサリーが並んでいる。訪問者もジュエリーに興味のある人が自然と集まってきているようで、 興味津々の様子で各ブースをのぞき込んでいる。

 そんなブースのひとつ、「プチ・ロココ」ではウェディングやパーティで身につけるような ジュエリーをデザインしている。ブースにいたデザイナーによると「店は持たず、ウェブサイトとワイキキ・アート・フェストで販売している」とのこと。値段 は10米ドル程度の手頃なアクセサリーもある。一方、「ウェーブ・ジュエリー」では、50米ドル前後のシルバー製品を中心にしたイヤリングやネックレスを 売っている。

 ブースにいるアーティストたちは、どちらかというと自分たちのデザインを披露するのが楽しいといった雰囲気。商売っ気たっ ぷりではなく、のんびりと日光浴をしながら、ついでに販売しているような感じなので、作品に興味があればアーティストに気軽に話しかけることができる。


自分のカラーを主張するアーティストたち

100401hwi_03.jpg ジュエリーが目立つワイキキ・アート・フェストのブースのなかで変わったところでは、カリフォルニア米のブランドのロゴ マークをコピーしたTシャツやエプロンを販売するブースがあった。その少し先には、手作りのフェルト地の人形と、自分の子どもが作ったフェルト地のしおり を一緒に販売する、ほのぼのとした雰囲気のブースもある。自分の好きなものや好きなデザインを、自信を持って披露している地元アーティストたちと気軽に触 れあえるのも、ワイキキ・アート・フェストの魅力のひとつといえるだろう。

 さらに先に進むと、ハワイの花や海をモチーフにした絵画や バッグ、コア製品を売っているブースがあった。マンゴやククイの木を使って花瓶や置物を作るアーティストのフランシスコ・クレメンテ氏は、スペイン生まれ でハワイに移住。このほかにもウルやコアの木を使った作品を売りに出していた。また、タヒチからハワイに移ってきたジーン・モウアのパレオも、なかなかの 人気。すべてハンドメイドで作られたパレオはその肌触りもすばらしい。

 今回、私が見つけたお気に入りのブースは、「ペイント・ザ・タウン」だ。ここではご主人が作った木枠に奥様がひとつひとつ描いた小さな小物入れを売っている。とても手の込んだかわいらしい作品だ。50米ドル前後と少々 値は張るものの、ハワイらしい花の模様はセンスのよいお土産品にもなる。ほかにもハワイのお土産になりそうなアイテムを見つけることができそうだ。

 また、この日は出店していなかったものの、地元アーティストのモリス・ナカムラ氏もワイキキ・アート・フェストで絵を展示・販売している。筋ジストロ フィーという難病を抱えながら絵を描き続けており、口に絵筆をくわえて油絵を描いている。その芸術への情熱にはひたすら頭が下がる。そのほか、絶滅危惧種 のモンクシールやウミガメの保護のためボランティア活動をしている写真家などもブースを出しており、撮影した写真の販売を通じて、その実態を伝えようとしている。

 参加するアーティストの年齢は20代から90代と幅広く、ハワイにも多くのアート活動をする人たちがいることを改めて実感させ られる。そんなアーティストたちと出会えるワイキキ・アート・フェストは、アートのみならずハワイの今を知る上でも興味深いスポットといえるだろう。

今週のハワイ50選
ワイキキ(オアフ島)
ハワイアンミュージック(全島)

 

取材:堀内章子