体験レポート:ハイキング&ダウンヒルライドを一度に体験
熱帯雨林ハイキング&タンタラス・ダウンヒルライド
~オアフで手軽にアクティビティ三昧~
スポーツ天国ハワイでは、誰でも手軽に参加できるアクティビティプログラムが多数用意されている。なかでも複数のスポーツを効率よく体験できるツアーは、ビギナーや時間のない旅行者にとっては利用価値が高い。ハワイ州観光局(HTJ)では、2011年のマーケティングプランでスポーツに注目。「ラン」「ウォーク」「バイク(サイクリング)」「ゴルフ」の4テーマを取り上げているが、今回はこの4テーマ中の2つを一度に体験できるアクティビティとして、バイクハワイ主催の「熱帯雨林ハイキング&タンタラス・ダウンヒルライド」ツアーを紹介しよう。
ハイカーに人気のマノアバレーを歩く
ツアーの出発は朝9時頃。主催者のバンが各参加者の宿泊ホテルを巡り、ピックアップしてくれる。最初に向かう先は、ハイキングをするマノア渓谷だ。バンは閑静な住宅街に停まり、ここで参加者は用意された長靴に履き替える(希望者のみ)。履き慣れたウォーキングシューズのほうがよいのではと迷う向きもあろうが、ここはぜひ長靴をお勧めしたい。その理由はのちほど。
準備万端整ったら、いざ出発である。「こんな住宅街から熱帯雨林ハイキング?」という疑問を抱くのも束の間。住宅街を抜け、柵を越えると、すぐに鬱蒼とした木々に覆われた緑の世界となる。聞こえてくるのは鳥のさえずりや葉のすれる音だけだ。マノア渓谷はハイキングを楽しめる場所として人気があるだが、このツアーで歩くのは私有地のため、ほかのハイカーに会うこともなく静かな森が堪能できる。森の中は陽光が遮られるので、暑くもなく快適。年間の平均温度は26、27度とか。森では、巨大なシダやジンジャー、ヘリコニアなど熱帯特有のさまざまな植物が見られ、道すがら、ガイドが説明を加えてくれる。
小川を越えて滝を目指す、爽快なハイク
ロープをつたって小川を越えたり、ぬかるんだ傾斜を滑りそうになりながら上ったりと、プチ・アドベンチャーの要素も随所で味わいながら歩みを進めると、やがて清涼感たっぷりの竹林が現れる。アメリカ本土からの参加者は「初めて竹林を歩く」と楽しそう。日本人にとってはさして珍しいものでないが、それでもハワイと竹林のミスマッチ感も相まって、竹の間をくぐり抜けて進む感覚が楽しい。
竹林を過ぎると間もなく滝に到着だ。この日は、折からの水不足で水量が少なかったものの、約60メートルの高さから水が流れ落ちる滝の周囲は、やはりマイナスイオンに満ちていて爽快。ここでひと休みして、ガイドが配ってくれるドライフルーツで元気の補給だ。この滝を折り返し地点として復路となる。
歩くペースは、ガイドが参加者の様子を見ながら無理のないよう調整してくれるため、全行程を通して息が切れてクタクタなどということはない。総長約3キロ、約1時間30分のハイキングは、高低差も長靴で歩ける程度のもので、子供から大人まで楽しめるものといえるだろう。ただし、ぬかるみが多いので足元には要注意。長靴をすすめる理由はここにある。自前のシューズで歩く場合は、ドロドロになるのを覚悟しよう。
風を切って走るダウンヒルライド!
熱帯雨林ハイキングだけの参加もOKだが、同日にほかのアクティビティと組み合わせることもできる。そのひとつが、タンタラスの丘を自転車で下るダウンヒルライドだ。ハイキングだけの参加者は、バンでホテルへ。ライドに挑戦する参加者は、自転車を積んだバンに乗り換えてタンタラス(プウオヒア)の頂上をめざす。まず駐車場のスペースで各人自転車とヘルメットを支給され、ガイドから乗り方や安全のためのルールなど基本事項についてガイダンスを受ける。その後、サドルを調整、ヘルメットをしっかり装着したら、駐車場内でしばし試し乗りをし、いざ出発。
縦一列に並んで走る参加者を間にはさみ、先頭をガイド、最後尾にバンがつくのが基本型。ダウンヒルライドをするのは公道なので通常の車も通る。そのため、車がくると後ろのバンから無線でガイドに連絡。ガイドは安全な場所を見つけて参加者を停車させ、車を前に行かせてから、再び走り出す。
プウオヒアの熱帯雨林の間を縫い、風を切って走り下りるのは爽快のひとことだ。道は下る一方なので、ペダルを一生懸命こぐことも、ギアの出番もほとんどない。木々の香りのなか、ひたすら下る。ただし、スピードは出すぎないよう先頭のガイドが調節しているので、ビギナーはもちろん、子供(基本的には6歳以上向け)の参加も安心だ。ときには途中、シャワー(にわか雨)に降られることもあるが、ハワイの太陽がすぐに渇かしてくれるはず。
ランチはタンタラスの絶景を堪能しながら
しばしの快適ライドの後、視界が開けたと思えば、そこで待っているのは、彼方の眼下に広がる青い海とダイヤモンド・ヘッドの絶景である。ここで、サンドイッチとスナック、ジュースのランチをとって小休憩。ふもとまではあと少し。到着してしまうのがもったいないくらいだが、約8キロ、ランチを入れて1時間半程度のダウンヒルライドは、タンタラスのふもとの公園で終了となる。
ハイキングだけなら午後12時30分頃、ダウンヒルライドまで参加すると午後3時頃のホテル帰還となるが、午後の時間はまだまだたっぷり。ワイキキからひと足伸ばしただけで、これほどまでに自然と触れ合え、アドベンチャー気分を満喫できるアクティビティが楽しめることは、ワイキキしか知らない旅行者にとっては、ちょっとした驚きかもしれない。ちなみに、ハイキングとダウンヒルに、さらにスノーケリングを組み合わせるプランの場合、ホテル帰着は夕方5時30分頃。スポーツ三昧の1日が楽しめる。
気候も自然も、すべてがスポーツを楽しむのに適したハワイ。自然と戯れながら、全身でハワイを感じる休日はいかがだろうか。
マノア渓谷(オアフ島)
タンタラスの丘(オアフ島)
ダイヤモンド・ヘッド(オアフ島)
ワイキキ(オアフ島)
取材:佐藤淳子