マーケット&トレンド:家族連れでも楽しめるマウイ島のゴルフ事情
2011年3月 3日
マウイ島で満喫、じっくり&ゆったりゴルフ旅
~家族連れからゴルフ通までが楽しめる最新ゴルフ事情~
年間を通じて快適な環境でプレイできるハワイのゴルフコースはゴルファーの憧れの的。なかでも数多くのゴルフ場を持つオアフ島と違い、ネイバーアイランドのゴルフ場は、ホテルなどを含む滞在型のリゾートエリア、もしくは地域コミュニティの中心に位置する立地が特徴となっている。本格的なリゾートコースでゴルフ通を納得させる一方で、地元の人々が気軽にプレイするコースでは家族連れやゴルフ初心者も受け入れるなど、ゆとりのあるゴルフ旅が可能というわけだ。今回は先日行なわれたゴルフ・イベント「ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」のレポートとともに、マウイ島でのゴルフの楽しみを紹介したい。
家族で楽しめるゴルフ・イベント
マウイ島のカパルア・リゾートの「カパルア・ゴルフクラブ」では1月3日から9日まで、「ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」が開催された。これは長年、「メルセデスベンツ・オープン」として親しまれたPGAツアー・トーナメントの開幕戦が、今年から新しいスポンサーとして「ヒュンダイ・モーター・アメリカ」を迎えて名称を変更したもの。つまり、マウイ島は毎年、ゴルフのシーズンが開幕する場であるのだ。
会場のカパルア・ゴルフクラブのプランテーション・コースといえば、全米屈指の名門コースとして知られる。全長7411ヤード、パー73で、パイナップル農園として開拓されたマウイ島ウエスト・マウンテンの裾野の傾斜に作られた、マウイ島らしいコースだ。人気のゴルフコース・デザイナーのベン・クレンショー氏とビル・クーア氏の設計で、コース上からはラナイ島を海の向こうに眺められるホノルア・ベイの絶景が堪能できる。通常ならばゴルファーのみの景観であるが、トーナメントを観覧すればその素晴らしさを体感できる絶好のチャンスとなる。
コースの知名度のみならず、新たなスポンサーを迎えた新イベントとしても、大いに注目を集めた。今回は入場料が無料となったばかりか、駐車料金やハワイアンミュージックのライブも無料。家族で楽しめる各種イベントブースや先着200人の子どもにランチの無料提供と、ゴルフ・トーナメントに興味がなくとも十分に楽しめる催しが満載。さらに、ケアリイ・レイシェルやジェイク・シマブクロなどの人気ミュージシャンのライブも花を添え、観光客はもちろん地元客も動員し、大盛況だった。
トーナメント開催の前日に当たる1月2日にはプレ・イベントとして家族連れのための「ファミリー・ファン・デイ」を実施、3、4日にはトーナメントに参加するプロの練習、5日にはプロとアマチュアを交えた練習トーナメントおよび男子PGAツアーのシリーズ開幕を告げるフェデックス・カップのキックオフイベントを開催、そして6日から9日にチャンピオンシップといったスケジュールでイベントが繰り広げられた。ゴルフ通、ゴルフファンはもちろんだが、このコースの美しさと周辺の景色、そしてそのなかで見るプロの妙技は、ノンゴルファーの心もつかむことは間違いない。プロの技を間近にし、学ぶことが多いのは事実だが、チャンピオンシップがはじまる前の数日はカメラの持ち込みが自由なので、トップ・プロ・ゴルファーと写真を撮るチャンスもいっぱいだ。毎年恒例になるであろう「ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」は、今後マウイ島の年始めの顔になりそうだ。2012年の大会は 1月2日から8日に開催が決まっており、今年同様、入場料無料となる予定だ。
有名コースで気軽なプログラムも
マウイ島には、現在13ヶ所のゴルフコースがある(メンテナンス中のマケナ・ゴルフコースのサウスコース、マウイ・カントリー・クラブを除く)。大型リゾートエリアのカパルア、カアナパリ、ワイレアなどにあるゴルフコースは特に人気が高く、カパルア・ゴルフクラブのプランテーション・コースやベイ・コース、カアナパリ・ゴルフリゾートなどは、コースの一部がリゾートの並ぶ道に面しており、滞在客にも身近な存在だ。ワイレア・ゴルフクラブの3つのコースは「ブルー」「ゴールド」「エメラルド」と名付けられ、レイアウトと眺望の美しさでも知られている。ゴルフファン、ゴルフ通であれば、これらのコースでのプレイは旅の大きな目的になるだろう。
こうしたリゾートエリアのゴルフコースには、ゴルフレッスンのできるゴルフスクールや、3ホール、6ホールのみを体験できるプログラムもある。18ホール全部を体験する時間や技量がなくても、レッスンを受けたり、レッスンの成果を試すために幾つかのホールを回ることも可能だ。カパルア・ゴルフクラブのビレッジ・ウォーキング・コースでは、3つのホールをティーの色を変えて3回ラウンドするというサービスを25米ドル(リゾート滞在者は20米ドル)で提供。12歳以下の子供も、コースでプレイをする大人の同伴で利用できる。また、同ゴルフクラブのベイ・コースでは毎日午後2時30分から、コースでプレイをする大人1名につき、12歳以下の子ども1名の9ホール分を無料、レンタルのゴルフセットを10米ドルで提供しており、有名ゴルフコースが大人のものだけではないことを証明するようなプログラムもある。
また、マウイ島には日本語で安心してゴルフができる場所がある。日本企業が経営している会員制ゴルフコース「ザ・キング・カメハメハ・ゴルフクラブ」だ。会員制ではあるが、1日2、3組に限って視察プレイを「1日会員」として、1ラウンド200米ドル(ランチ込み)で受け入れており、世界的に著名な建築家フランク・ロイド・ライト設計のクラブハウスとスパの利用、日本食もあるメンバー専用レストランでランチが楽しめるのだ。マウイ島の中心地のワイルクに近く、島の真ん中にあるために各リゾートエリアからのアクセスもよい。ウエスト・マウンテンの裾野に位置し、ハワイ州の州鳥のネネが飛来する自然に恵まれたゴルフコースとなっている。
ビギナーや家族連れも割安にゴルフ体験を
さて、手軽な料金でのプレイや、ゴルフをしない家族も一緒に楽しむには、どうすればよいのか。それには、まずは各ゴルフコースのサービスを知るとよい。ゴルフを予約するときにまず聞かれるのがティータイム(プレイを始める時間)だが、このティータイムによって値段が安くなることがある。トワイライト料金とはゴルフクラブによって異なるが、午後1時頃を過ぎたティータイムに適応される割安な料金で、陽射しの強いハワイでは意外に好まれる時間帯でもある。ただし、営業時間の都合上、必ずしも18ホールのプレイができることを確約していないゴルフコースもある。
そして、一般に料金が安いのはパブリックコースと呼ばれる地元のゴルフコースだ。マウイ島に数ヶ所あるが、人気なのは「カヒリ・ゴルフコース」と「ザ・デューンズ・アット・マウイ・ラニ」である。いずれも料金は100米ドル以内で、トワイライト料金ならさらに割安になる。そして、ゴルフをしない家族も一緒にカートに乗ってコースを回ることが可能だ。カートに乗るためにはノン・プレイング・ライダー・フィー(25米ドル程度)を支払えばよい。ゴルフをしない家族もカートに乗って、コース上ならではの自然の風景を楽しみながら共通の時間を過ごすことができれば、家族旅行でもゴルフをする機会が増える人も多いのではないだろうか。
また、この2つのクラブハウスのレストランはランチ、ディナーともに、地元で人気。特にカヒリ・ゴルフコースの毎週金曜日のシーフード・ブッフェは、なかなか予約がとれないほどだ。また、「ザ・デューンズ・アット・マウイ・ラニ」のクラブハウスには、マウイ島で人気のレストラン「カフェ・オ・レイ」が参入。トワイライト料金でラウンドをした後に、家族や友人と集合してディナーを食べることが、地元では週末の定番になりつつある。旅先でのゴルフは、プレイにプラスアルファ
の楽しみ方を加えることで、もっと思い出深いものになるはずだ。
今週のハワイ50選
カアナパリ[カアナパリ・ビーチ](マウイ島)
ハワイアンミュージック(ハワイ全島)
カアナパリ[カアナパリ・ビーチ](マウイ島)
ハワイアンミュージック(ハワイ全島)
取材:神宮寺愛