オンライン旅行市場の現状と流通1 (4/4) 旅行サイトの分類と特徴
( 2010年10月14日 )
3)旅行オンラインメディア群
1人あたりのPV数や総PVは少ないものの、フォートラベル、まっぷる、トリップアドバイザー、地球の歩き方、トラベル・ジェーピーなどオンライン旅行メディアの存在は、オンライン旅行市場では欠かせない。
これらの会社の特徴はツアーと旅行に関連する商品への誘導をはかるサイトで、「アグリゲーター(=集約する人)」とも呼ばれる。なかには、ユーザーから書き込まれた口コミを整理することで、これからの旅行を検討する人たちに宿泊から交通、旅行全体の無形商品群を創造しやすくする機能を持つ場合もある。さらに口コミに近い旅行商品を広告として出すことで、広告主のサイトへ消費者を誘導して広告収入を得るというビジネスで、サプライヤーや旅行会社にとって大切な流通のひとつとなっている。
しかも、インターネットでは検索サイトの集客力が強く、検索行為の結果としてアグリゲーターのサイトにユーザーが集まる仕組みもある。特に、口コミを持つ場合は、ユーザーが書き込んでくれる「キーワード」が無数に広がり、検索結果で上位にランキングされる可能性も高まる。つまり、これらのサイトのユーザーは当初から「旅行に関心ある」人に分類される。現実世界のメディアである新聞広告やビラなどとの効果の違いは、「旅行への関心度」の点で大きく異なるのが特徴だ。オンラインメディアへの広告出稿ではそれぞれのサイトの趣向や用途にあわせ、広告内容を変えることができ、よりユーザーが求める旅行商品を販売しやすくなる。