ITソリューションの有効活用(3) (3/4)

活用法1:ユーザーに「伝道師」の役割を担ってもらいサイトへ集客

 まずここでは、コミュニティが存在するユーザー同士の繋がりが深いサービスに向いているため、mixiとFacebookを活用する方法として紹介する。

 ユーザーに伝道師の役割を担ってもらうというのは、大々的に広告を打たなくともコミュニティ間もしくはSNSにおいてユーザーが発信者となり情報が伝わることを指す。特に、SNSの機能が充実したことで有効な手段となりつつあり、注目を集めている。

101124it_columy_01.jpg 充実した機能というのは、mixiの「mixiチェック」やFacebookの「いいね」という、他ユーザーにオススメやお気に入りと紹介する機能のことだ。この機能が登場したことで、SNSのビジネス活用に新しい道が生まれた。ポイントとなるのは、最近よく見かける下記のボタンだ。

 このボタンをサイト内に設置することで、商品やコンテンツを気に入ったユーザーがこのボタンをクリックした場合、SNS内におすすめとして表示される、という仕組みだ。ユーザーは各SNSにログインした状態であれば、ボタンをクリックするだけで共有が出来るということもあり非常に簡単に情報が伝播していくことが可能となっている。

 ボタンをクリックしたユーザーの先には多くの友人、さらにその先に友人の友人・・・と情報は伝わる。友人・知人がおすすめすることで興味の度合いも高く、商品の購買動向に好影響を与える効果が期待できるのだ。

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 このボタンを、ユーザーが「紹介したい」と考えるであろう商品や写真、スタッフの声などの近くに設置する。旅行業界で考えると、キャンペーン内容、パッケージツアー詳細、ホテル、現地情報、スタッフコメントなどが当てはまる。これによりユーザーは、お気に入りの記事をSNS内で共有したり、「このホテルが気になる」などの情報を友人などのコミュニティネットワークに広く知らせることができる。

 旅行業界ではまだあまり見られない機能だが、クチコミサイトのフォートラベルでは各クチコミ記事にmixiチェックボタンとTwitterボタンを設置している。ANAの「GO!GO!女子会 冬の旅ガール。」キャンペーンサイトでも、mixi、Facebook、amebaブログ、Twitterで紹介できるよう、ムービーにボタンが設置されている。

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 この方法で重要なのは、非常に基本的なことではあるが、まず自社サイトにユーザーが「いい」と思う情報があるか?「いい」と伝えたい見せ方が出来ているか?という点である。専門性を活かした現地のおすすめ情報でもいい、おすすめホテル情報でもお得なキャンペーン情報でもいい、ユーザーが人に薦めたい情報が必要なのだ。

 このように、ユーザー発信で情報が広がる仕組みがmixiやFacebookには備わっているため、ユーザーを伝道師のようにして情報を伝えることも可能なのである。そしてその力は「ボタンの新設」という機能の充実により、注目すべきものとなった。是非活用してサイト集客に繋げたい。