ITソリューションの有効活用(4) (3/4)

フラッシュマーケティングを活用した新たな攻め方

 旅行業界では宿やホテルのみならず、パッケージツアーの販売にも徐々に活用されはじめてきている。

101208it_02.jpg 近畿日本ツーリスト(KNT)はこの11月に共同購入型クーポンサイトの「GOTi(ゴーチ)」と組んで、パッケージツアーの期間限定割引販売を開始した。フラッシュマーケティングの特徴を取り込んで、豊富な品揃えの旅行商品を期間限定で、価格訴求を前面に出しながらマーケットの注目を集めていくことがねらいだ。自社のホームページとは別のサイトでフラッシュマーケティングを使い、販売チャンスを拡大していくのは今後の流れのひとつになっていくのではないだろうか。

 また、日本旅行は自社サイトに共同購入による割引販売の特集コーナーを設け、販売拡大をねらうとともに話題性を提供し、新たな試みを実施しはじめている。高級宿泊施設予約サイトの一休も「一休マーケット」というクーポンの共同購入サイトを展開し、効果を出しはじめている。

 商品の特性上、在庫を持てない旅行業界にとって、購入期間を限定し、価格訴求しながら直前まで販売していくフラッシュマーケティングは、「販売効果」「宣伝効果」において、可能性を感じさせるものであり、商品稼働率を上げる可能性を大いに持っている。まだまだ取り組み途上であるが、今後も各社の動きに注目していきたい。

 ただし、フラッシュマーケティング手法をとれば必ずしも販売拡大につながるということではない。販売する商品の内容や質、品揃えが十分であることが、成功のポイントになることも留意していきたい。