「MICEとは?」⑭
「MICEとは?⑭」
「Communicationを高める~テクノロジー」
トーマス・フリードマンの書いた「World is Flat=フラット化する世界」は世界的なベストセラーとなりました。ITの発達、インターネットの爆発的な普及はますます、世界を平らに変えています。
ビジネスのやりとりも、過去の2倍から5倍のスピードが要求されるようになりました。昨年、世界中に30のホテルを展開するBenchmark Hospitality Internationalが発表した「2008 Top Ten Meetings Trends」にも、テクノロジーに関わる項目が3つランキングしています。
(1)Lightning Speed=ビジネスがスピードアップされてきている。MICEの会議施設でのワイアレスのアクセスは必死
(2)Lap Tops in the Meeting Room=地球環境にも悪い、紙で埋まったミーティングは終わり、ほとんどのミーティングでラップ・トップ・コンピューターの持ち込みが増加している
(3)Interactive Event Websites=ミーティングとインタラクティブなブログや、Webでの学習の増加
テクノロジー関連ではありませんが、ナンバー1にランク入りしているのが、「Green Meeting」です。紙を出さないためにもちろん、ラップ・トップの導入も必要ですし、Agendaなども紙ではなくUSB対応の小型記憶装置などに取って変わってくるはずです。「どうしても紙で」というときにはリサイクル用紙や、プリントするインクなどは植物性のものを使用する。このように、環境に対する配慮も今後、すべてのMICEに関して考えなければならないことになりそうです。
確かにテクノロジーの発達は加速傾向にありますから、ミーティング・プランナー(MP)もサプライヤーも、キャッチ・アップするのでさえ大変なことです。大型のコンベンションや国際会議になると10年先の予定までありますので、当然、何が必要となるのか予測を立てられないのが実情です。しかし、テクノロジーの視点で、MICE主催者のオフィスで可能なことは、ベニューとして同じ程度のことができる環境を整えない限り、ベニューとして選択されないことは常識となりそうです。
一時期、わが国でも新しく建設されたコンベンションセンターやコンファレンス・センターに、ビルト・インのビデオ・スクリーンを導入することがありました。大変高価な機器ですので、大変な投資となりました。テクノロジーの発達でビデオ、スクリーンはますます大型化し、反対に安価となりました。このようなケースは予想をするのが難しいのですが、ビルト・インでなく、単純にスクリーンのみの導入にしておけば、フレキシブルな対応が可能であったと考えます。
あるリサーチによると、数年以内にMPと、ホテルやコンファレンス・センターなどのサプライヤーとのコミュニケーションは、70%以上がオンラインで行なわれるといわれています。
あるホテル運営会社は最初の「RFP(Request for proposal)をオンラインで受理したら2時間以内に最初のリスポンスを返し、さらに24時間以内にはフル・レスポンスを返す」をコミットメントし、それを売りにしています。先述の(1)のスピードアップはMPが一番評価するベネフィットである「時間をセーブ」することとなるのです
米国はあれほどの広大な国ですので、遠方でのMICEが開催される場合、MPはサイトが決定する前はインスペクションに行かない傾向にあります。そのために、単にバンケット・ルームやミーティング・ルームのレイアウトがウェブでダウンロードできるだけではなく、動画や映像を駆使したバーチャル・インスペクションの可能な施設が登場してきました。また主催者であるMPが学習できるように「成功する会議の計画のヒント」や「効果の上がるインセンティブのプランニング・ガイド」などのリソースも、ウェブからダウンロードできるサービスを提供しているホテル運営会社もあります。
テクノロジーの発達は、ミーティング・マネージメントとして計画、管理、評価、アカウンティング・システムの精度をますます高めるだけではなく、実際のMICEの運営においても、オンライン・レジストレーション、参加者のバッジ(ICチップにより参加者のプロファイル、アンケート、メッセージ・サービスが可能)、レセプションの簡素化、トレードショーのマテリアルのデリバー、精算システム、コラテラルのデータ化などをスピードアップし、効率の良いMICEを創るために欠かせない要素となりそうです。
筆者:MPI Japan(Meeting Professionals International) 浅井新介 会長
【プロフィール】
