「MICEとは?」⑯
「MICEとは?」⑯
「リソース~MICEに必要なリソース」
それぞれのMICEの目的に応じて精度の高いMICEをデザインするためには、まず専門家をはじめとするネットワーキングの拡大、MICE関連の協会への積極的な参加などの人のリソースを充実する必要があります。MICEは多くの関係者がチームとして計画から運営まで働き、完成するのです。
また、常にアンテナを巡らし、情報の収集を積極的にする必要があります。過去の何倍ものスピードで変化する現代では、過去の成功事例はあてにならないことの方が多いかもしれないからです。
1.協会
・自社が属している業種の協会
・ミーティング関連の協会 JCCB、ICCA, SITE, MPI、 PCOの協会等
2.コンベンション・ビューロー(CB)、海外のビジターズ・ビューロー、政府観光局
内外のコンベンション・ビューローはMICE開催に関し多くの支援を提供しています。
行政等の協力が必要な場合は、その橋渡し役をしてくれます。特にMICEと特定している担当局、担当者を置いている組織は種々のMICE開催支援プログラムを用意しているケースが多いのです。例えば米国のCBは下記のような支援プログラムを用意しています。
・サイト・インスペクションのアレンジ
・デスティネーションのミーティング・ガイド
・サプライヤーのコンタクト
・参加者のバッジ(米国では普通)
・レジストレーションの支援
・プロモーションのパンフレット
・Welcome(歓迎)の演出、空港・べニュー
・MICE開催中の街の整理の支援(輸送、交通、べニュー、ショッピングなど)
3.出版・業界誌等
MICEに関わる情報誌は:
・Meeting&EventのHow-Tos
・目的地の情報
・ホテルやリゾートのインフォメーション
・成功したMICEイベントのインフォメーション
・契約の問題
・商品やサービスの情報
などを提供してくれます。
※日本はMICEに役立つ出版物は少なく、業界誌としてはイベント&コンベンション(展示会情報)日本実務出版が、展示会とコンベンションを中心にした情報を提供している。米国の情報誌は豊富である。最近は紙の媒体よりもデジタル化しているので、下記のサイトなどから購読可能。
べニュー、テーマ・パーティ、設営などの画像だけでもヒントになるものが豊富にあるので、プログラムやコンテンツを考える時に、大変参考になることが多い。参考までに米国のMICE関連のお役立ちサイトを、いくつかあげておきます。
▽Meetings&Conventions(MICE全般) http://www.mcmag.com/
▽Event Solutions http://www.event-solutions.com/
▽Business Travel News(法人関係) http://www.btonline.com/
アジアでは、シンガポールがMICEの中心となっているせいか、TTG MICE誌が広く購読されているようです。こちらは下記のURLから無料で購読の申し込みが可能です。インセンティブのアイディアの特集などもあり、お奨めです。
http://www.event-solutions.com/
最近、日本でもDMC=Destination Management Companyという、デスディネーションの専門家も登場しました。コンベンション・センターやホテルの手配、チーム・ビルディングのようなMICEの目的に応じたコンテンツの提供から情報なども提供してくれます。また、グローバルなホテルの運営会社のセールス・マネジャーを担当する方々とのネットワークも、多数の新しい情報を入手するには良い情報源です。
多くのミーティング・プランナーが、常に新しい素材を探しています。人と情報の領域を拡大する。つまりは、多くのリソースが引き出しにあるかないかが、MICEの精度を大きく左右するのです。
筆者:MPI Japan(Meeting Professionals International) 浅井新介 会長
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