「MICEとは?」⑰
市場動向 「MICEとは?」⑰
「リソース~MICEの精度を高めるリソース」
先回はMICEを計画、実施するにあたり、個々のMICEの目的に応じてすぐに利用可能なリソースとして、協会、コンベンション・ビューロー、出版・業界誌、ウェブサイトなどを紹介しました。ITの発達により瞬時にして、世界中の情報がデスクトップで閲覧可能な時代となりましたので、デスティネーション、宿泊施設、会議施設、ホール、レストランなど、目的に応じ自分の好みで、利用価値の高いウェブサイトを積極的にリサーチし、インデックスをつけ分類しておくと便利です。
<インデックスの一例を紹介します。>
□ Ball Rooms □ Meeting Rooms □ Concert □ Seminars □ Dinners
□ Conferences □ Weddings □ Gala Dinner □ Cocktail Party
□ Product Launch □ Team Building □ Events □ Trade Show Exhibitions
MICEを積極的に誘致しようとしている政府観光局、例えばシンガポール政府観光局、TCEB(タイ・コンベンション&エキシビション・ビューロー)、モナコ政府観光会議局などは特別にMICEの専門家を本国のみならず、日本にもおいているケースがあります。これらの窓口は現地のMICE施設の紹介のみならず、現地へのインスペクションのアレンジの支援や、必要な場合、本国の政府との調整なども助けてくれるので積極的にコンタクトをしてみると良いと思います。
最近、ミーティング・プランナーとコミュニケーションをしていると、やはりユニークなベニューを探すことに多くの精力を費やしていることに気がつきました。
長い間実施しているMICEの場合、新鮮味がなくなってマンネリ化してしまうことが多いのです。参加者を常に飽きさせず、新鮮な感激や感動を感じてもらうためには、オンリー・ワンのコンテンツや、参加者が一度も体験・体感したことがないユニークなベニューはMICEの成功のキーとなります。
海外では多くの都市がユニーク・ベニューの協会を設立したり、ウェブサイトも充実したものもあります。例えばオークランドなどは市の議事堂や、郊外のラグビー・クラブなどもMICEのミーティングや、あるいはパーティの施設として利用可能です。
韓国の友人のミーティング・プランナーは、シドニーのあの有名な橋をブロックしてお祭り騒ぎをしたこともあります。もちろん、このようなイベントには行政とのすりあわせや調整が必要ですので、コンベンション・ビューローに早めにリクエストをすることが肝要です。
お隣の中国ではあの故宮を貸し切りすることも可能です。ユニークな場所でのダイニングをお望みならば、万里の長城の上でのケータリングも北京のホテル会社が提供してくれます。
もちろん出来あいのユニーク・ベニューも魅力がありますが、そこはミーティング・プランナーの腕の見せどころ。通常のベニューを、創造性を大いに発揮して演出を施し、オンリー・ワンのベニューに変えてしまう。そのような気構えは必要かもしれません。
<世界のユニーク・ベニューのウェブサイトをいくつか紹介します。>
◆ロンドン
http://www.uniquevenuesoflondon.co.uk/
◆シドニー
◆マドリッド
http://www.eventplannerspain.com/empresas.asp?idsubcat=6&idcat=1&idioma=En
*スペインの主要都市すべて
最後に、最近のトレンドとして「Green Meeting」があります。環境に優しいMICEを計画運営していくことは、今後のミーティング・プランナーのゴールの一つであることには間違いありません。世界的にこの環境に優しいミーティングを推進しているのがブルーグリーンミーティング財団です。(http://www.bluegreenmeetings.org/)
このURL上の「Hosts&Planners」をクリックすると、環境に優しいミーティングを計画・実施するガイドとして「10Easy Tips=10のヒント」が掲載されています。すぐにでも実施可能なヒントがあるので、一読をおすすめします。
筆者:MPI Japan(Meeting Professionals International) 浅井新介 会長
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